こんにちは、ぽん太先生です。
ぽん太先生は普段脳神経内科医をしています。
なので脳神経系の話題が得意ですが、中でも「睡眠」に関する話題は得意分野です。
「休日になったら昼まで起きれない」
「休日起きてテレビ着けたらアッコにおまかせが終わってた」なんて人いますよね。
僕も実際そうでした。
でもそれって平日の睡眠が足りていない証拠です。
平日にたまった睡眠不足を休日に頑張って取り返しているのです。
今回は睡眠不足の危険性、解消の方法などについて説明していきます。
目次
日本人は睡眠不足
日本人は世界的に見て睡眠時間が短い。
2019年の調査によると日本人の睡眠時間はOECD加盟33カ国の内で断トツの最下位でした。
全体平均が8時間27分のところ日本は7時間22分と1時間も短かったです。
ブービーの韓国(7時間51分)と比べても非常に短くなっています。
睡眠不足による日本の経済損失は15兆円に上るとも試算されています。
6時間睡眠は2日徹夜してから仕事しているのと同じ
「自分はちゃんと寝てるし、昼間も集中できてるよ」と思うかもしれません。
でも慢性的な睡眠不足は気づかぬうちに作業効率を落としているのです。
慢性的な睡眠不足になっている人の集中力について調べた論文があります(Van Dongen HPA et al, 2003)。
それによると、「6時間睡眠を14日間続けた人」と、「48時間徹夜をした人」とでは集中力が同じくらい落ちていることがわかりました。
これは「日本酒1~2合飲んで酔っ払っている人」と同じくらいです。
48時間の徹夜ってイメージできますか?
学生の頃とかは徹夜で麻雀・テレビ・ゲームなどして、翌日に普通に学校・バイト・部活に行けてました。
でも年々徹夜がしんどくなり、次の日のことも考えて12時を回ったころには寝てしまいますよね。
何らかの事情で徹夜をしてしまった翌日は眠くて仕事になりません。
時には徹夜の翌々日にまで体調不良を引きずることすらあります。
普段から「6時間睡眠」で過ごしている人というのは、そんな徹夜を2日間した状態で仕事や車の運転をしているのです。
仕事のミスが増えたり、体調が悪くなったり、イライラしたりするのも当然です。
でも、自覚的な眠気は6時間睡眠生活5日目くらいで頭打ちします。
つまり慢性的に睡眠不足な人は自分が寝不足であることに気づきづらくなっているのです。
ショートスリーパーを信じるよりちゃんと寝よう
もしかしたら人によっては「自分はショートスリーパーだから大丈夫」と思う人もいるでしょう。
確かに1日4時間以下の睡眠時間でも問題なく過ごせる人もいます。
しかしそれは極々少数しかいません。
人口の1%程度とさえ言われています。
自分がショートスリーパーであると信じるよりも、一般的に推奨される睡眠時間をちゃんととる方が確実でしょう。
休日に起きれない人は睡眠不足です!
ではどうすれば自分が睡眠不足なのかわかるでしょうか?
それは「休日に何時に起きるか?」を考えればわかります。
普段からちゃんと睡眠が足りている人は、休日朝でも平日と同じくらいの時間に自然と目が覚めます。
一方で睡眠が足りていない人は、平日の睡眠不足を解消するために休日になると普段以上に寝てしまいます。
「休日は昼まで起きれない。」という人も沢山いるんじゃないでしょうか。
それは平日に無理している証拠です。
少なくとも7時間はちゃんと寝よう!
では1日何時間寝たらいいのでしょうか。
実は適切な睡眠時間は年齢によって変わります。
若いほど睡眠時間はしっかり必要で、加齢と共に睡眠時間は少なることが言われています。
おおよそ7~8時間くらいを目安に考えておくと良いでしょう。
就寝時間を15~30分ずつ早めよう
自分が睡眠不足であることがわかったら平日に普段より15~30分早く寝るようにしましょう。
あんまり急に就寝時間を早めても、脳は以前の習慣のままなので寝る時間だと気づけません。
なので、就寝時間は少しずつズラすことをおススメします。
休日になっても無理なく朝起きられるようになったら、自分に合った睡眠時間が取れている証拠です。
適切な睡眠時間が取れれば日中の謎の疲労感や肩こりなどが解消されるかもしれません。
そして仕事の作業効率もきっと改善されるはずです。
また、最近は睡眠不足と肥満の関係性も言われており、睡眠不足を解消するだけで体重も減ってくれるかもしれません。
まとめ
今回は睡眠不足の危険性、解消の方法などについて説明いたしました。
睡眠不足は自分が思っている以上に脳や体や心に悪い影響を与えます。
しっかり睡眠をとって元気にのびのびと過ごしましょう。