こんにちは、ぽん太先生です。
今回は情報の取り入れ方・考え方について話していこうと思います。
人は1日に3万5千回の判断を下しているとも言われており、その中で誰しも間違った判断をすることがあります。
間違いやすい原因・状況を知っていれば注意できますし、他人に騙されないようにもできます。
これはあらゆる仕事あるいは日常生活で生かせる知識になるでしょう。
そういった判断の「エラー」について以下の参考図書をもとに今回はまず「バイアス:誰しも持つ考え方のクセ」についていくつか紹介していきます。
「バイアス」の存在を知っていれば、自分のエラーを減らして、他人のエラーに気付き、他人に騙されないように注意できるかもしれません。
参考図書:情報を正しく選択するための認知バイアス辞典(フォレスト出版)、NOISE[上/下]組織はなぜ判断を誤るのか?(早川書房)
目次
エラーの中身
人が判断する時には必ずエラーが入ります。考え方のクセで偏りが出てしまうエラーを「バイアス」と呼び、判断のばらつきによるエラーを「ノイズ」と呼びます。
射的の的で表すとこんな感じ。
①:エラーが少ない。
②:ばらつきは少ないが偏りがある。(バイアスあり、ノイズなし)
③:偏りは少ないがばらつきがある。(バイアスなし、ノイズあり)
④:ばらつきも偏りもある。(バイアスあり、ノイズあり)
⑤:バラバラ(おさるさん。敢えて言うならノイズが強い?)
②とか④には的への当たり方に偏りが見られます。一方向に風が吹いていたのかもしれないし、射的の銃が曲がっているかもしれません。
③とか④には的への当たり方にばらつきがみられます。射的する人の手が震えてるかもしれないし、射的の銃の火薬が一定じゃないかもしれません。
今回は②とか④に見られる当たり方の偏り、すなわち「バイアス」についていくつか話していきます。
○チェリーピッキングとか確証バイアス
子供の頃に「このゲーム・漫画みんな持ってるから買ってよ!」と親にねだったことは誰でもあるでしょう。こう言う時の「みんな」とは「世界中の人全て」では当然なく、「自分の周りにいる人の何人か」という意味です。これはチェリーピッキングとか確証バイアスと呼ばれるバイアスにハマっています。自分にとって都合のいい情報だけに注目してしまうというバイアスです。
「○○さんが言ってたんだけどさぁ、」から始まる誰かを非難する噂話は、大体話してる本人もそう考えていることが多いです。さも「他の人の意見であって、自分の意見ではないです」と言うかのように陰口を言う嫌な話し方ですよね。避けた方が良いタイプの話し方と思います。
病気の診断においては、最初に思いついた病名に固執してしまうことがあります。「他の医者の診断を信じるな!」ということはよく言われます。肯定的な情報ばかりに目が行き、鑑別診断を怠ると誤診につながります。
○選択バイアス
健康食品やダイエット法を紹介する宣伝では良い声だけが紹介されています。しかしそれは氷山の一角でしかありません。実際には実践したけど効果がなかった人もその影にはたくさんいるでしょう。手に入る情報は既に選別されているということです。
テレビで視聴者アンケートなどのグラフがあったりしますが、その調査方法によっては選択バイアスが隠れているかもしれません。たとえば電話調査だったりしたら、今時固定電話を置いている人は若い世代では少ないので、年齢層が上の世代・家庭に調査対象者が偏っているでしょう。逆にネットアンケートだったりしたら若い世代に偏るでしょう。一方で平日昼間の調査だと働く世代や学生の人数は少なくなります。
調査する手段だったり、時間帯だったり、場所だったりによって調査対象者に偏りが出て結果も大きく変わります。これを意図的に利用して目的とするデータ・グラフを作り、さも全ての人の意見であるかのように見せようとする人もいるので注意が必要です。
国会議員の選挙において若い世代の投票率が低いことが問題視されています。これでは若い世代の意見が反映されず、投票率の高い世代の意見が反映されやすくなります。ただでさえ少子高齢化が言われている中で、投票率の差によって選択バイアスがかかってしまうので日本全体に公平な結果には繋がらないかもしれません。
たしかに、平日働いたり学校に通ったりで忙しくしている現役世代にとって休日は自分のために使える大事な時間帯です。それを使ってまで選挙に行くというのはハードルが高いとも思います。そこで、ネット投票が解禁されればより広い世代からの公平な意見集めにつながるかもしれません。
まとめ
以上、誰もが持っている考え方のクセ・偏り(バイアス)について2つご紹介させていただきました。
「情報を正しく選択するための認知バイアス辞典(フォレスト出版)」では合計60個ものバイアスを一つずつわかりやすく紹介してくれています。おすすめです。
考え方のクセ・偏りを知ることで自分の間違いを正し、他人に騙されないように注意しましょう。