こんにちは、ぽん太先生です。
今回は、初めて病院にかかった時に医者へ伝えるべきことを書きます。
病院になんて普段かからない健康な人が、初めて受診する時って緊張しますよね。
「何か怖い病気だったらどうしよう」「治るんだろうか」「何を話したらいいのか」「こんなことで来て良かったのか」「怖い先生だったら嫌だなぁ」などなど。
不安で頭がまとまっていない中で話をしていると本筋からズレてしまう人も少なくありません。一方で、話を聞いていて要点が綺麗にまとまっている患者さんの場合には、「おそらく医療関係者なんだろうな」と思って職業を聞いてみると看護師さんとか介護士さんとかセラピストさんであることがほとんどです。
緊張をほぐして病気の診断・治療に大事な情報を聞き出していくのも医者の大事なテクニックなのですが、病院にかかる側としても気をつけるポイントが分かるといいですよね。
以下に早速そのポイント5つを挙げます。
目次
一番困っていること・症状(主訴)
何をして欲しくて病院に来たのか
かかったことのある病気(既往歴)
いつも飲んでいる薬(定期内服薬)
薬/食べ物のアレルギー歴
これら5つのことは大体いつも聞かれます。初めて受診するときは上2つについてが特に重要です。症状の原因を突き止め、検査・治療を組んでいくうえでとても大事になってきます。これら以上のことは、必要になったら医者側が大体追加で質問してくるので、それに答えれば良いでしょう。
それではそれぞれについてより詳しく説明します。
①一番困っていること・症状(主訴)
一番困っていること・症状(主訴)というのは一番大事です。それによってかかる科も変われば、緊急性も変わります。
よくある症状(主訴)としては、頭痛、腹痛、胸痛、関節痛、発熱、風邪様症状、寝汗・倦怠感、体重減少、めまい、しびれ、物忘れ、不眠などなど。
基本的に1つ2つに絞りましょう。たまに「あれもこれもそれも困ってます」と言って10個くらい次々に話をし続ける人がいますが、医者も頭が混乱してしまいます。病院を受診するきっかけになった一番困っていることに絞りましょう。
そしてその症状の経過を説明するにもポイントがあります。頭文字から取ったOPQRSTと言う問診項目をおおまかに医者は意識しています。
Onset:発症機転。Palliative & Provocative:寛解&増悪。Quality & Quantity:性状&強さ。Region:部位。associated Symptom:随伴症状。Time course:時間経過。
例えば痛みであれば、いつから始まったのか、良くなったり悪くなったりするきっかけがあるのか、どこが、どんな感じに、どの程度痛むのか、それ以外に症状(吐き気、麻痺、めまい、閃輝暗点、下痢、冷や汗、動悸など)があるのか、ずーっと痛むのかそれとも波があるのか、といったことを伝えましょう。
例えば物忘れなら、いつ頃から気になりだして、頭をぶつけるなど何かきっかけがあるか、具体的なエピソードは何があったか(「買い物で毎日同じものを買って帰る。」とか「鍵を閉め忘れた。」とか「火の戸締りが危うくて火事になりかけた。」とか)、それ以外に症状(歩行障害、麻痺、尿・便失禁、抑鬱傾向など)があるか、といったことを伝えましょう。
特に症状の始まり方は大事です。瞬間的に症状が出現したのか、それとも数分/数時間/数日/数か月の経過で症状がじわじわ強くなったのか、によって想定する原因が全く違います。瞬間的に痛みが出現した場合には特に怖い病気が隠れている可能性が上がるので気をつけましょう。
瞬間的に症状が出現する経過
徐々に出現する経過
症状の強さに変動がある場合には、全く症状がなくなる時があるのか、そして症状出現の頻度(日・週・月に何回あるか)を確認しておきましょう。
波のある症状経過
波のある0になる症状経過
それらの話を踏まえた上で、主訴に併せて幾つかの病気の可能性を念頭に置きながら医者が追加で問診していきます。
②何をして欲しくて病院に来たのか
多くの方は「病気を治したいから病院に行くんだよ」と思うでしょうが、実は本当に求めていることは違ったということもままあります。
・とにかく症状を抑えたい人。
・症状(痛みとか)はそんなに強くないけど原因がわからないから不安で検査をして欲しい人。
・本人は困ってないけど周りの人が病院に行けと言うから来た人。
・症状は何もないけど健診で引っかかったから来た人。
・診断書が欲しくて来た人。
などなど。病院受診に対して本当に期待していることは実は人それぞれです。自分がどれに当たるのか、事前に考えておきましょう。それによって検査の組み方や薬を始めるかどうかも変わってきます。
もちろん病気が原因で期待通りに進まないことはありますが、何をしてほしくて病院に行ったのかちゃんと目的を伝えましょう。できるだけ期待に沿えるように医者や病院も相談に乗ってくれるでしょう。
③かかったことのある病気(既往歴)
病院では『かかったことのある病気はありますか?』とよく質問されます。ついつい「癌になったことがあります。」とか「5年前に手術しました。」とか大きな病気のみを言うことが多いですが、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喘息、緑内障なども大事な既往歴です。忘れず伝えましょう。
もし今までに病気を指摘されたことがなかったとしても、職場などで定期健診を受けたことがなければ気づいていないだけかもしれません。年一回など健診を受けていないならばそれも伝えた方がより良いです。
④定期内服薬
普段飲んでいる薬の情報は重要です。薬の副作用によって症状が出ていることがあったり、薬の相互作用で気を付けないといけないことがあったり、ある薬を飲んでいるとできない検査があったり、などなど内服薬はとても大事です。
薬の名前・量を正確に覚えているなんて人はめったにいません。何を飲んでいるのか全く分かっていない人すら時々います。お薬手帳を持っていたら忘れず必ず持っていきましょう。特に気を付ける点は、ここ1ー2か月程度で何か新しい薬を開始したり変更したりしてないかは重要です。
⑤薬/食べ物のアレルギー歴
たまに蕁麻疹が出ることは体調によって誰でもありうることなので気にしすぎはいけませんが、原因として特定の薬/食べ物がわかっているときは必ず伝えておきましょう。特にアナフィラキシーショックと呼ばれる呼吸困難・血圧低下・意識消失などまできたしたことがある人は必ず伝えてください。検査を組むうえで注意が必要な場合があります。
以上、初めて病院にかかった時に話すべきことでした。「熱が出てきた。」「お腹痛い。」「めまいがする。」など困ったことが起きた時に上記の事を参考に話をまとめてみてください。スムーズかつ希望の診察が受けられると思います。